受変電設備、キュービクル、分電盤等金属に覆われた電源箱にはほとんどの場合簡単に開けられないよう施錠がされております。月次点検や年次点検は手持ちの鍵を使用して、少なく見積もっても年間4,000回もの解錠・施錠を繰り返しているので、その鍵は2年も経てばすり減ってくるのは当たり前でこんなことになることは想定できたはずなのですが、
鍵がすり減ってくると回しづらかったり、引っかかりがあったりと「もう交換しなきゃ」と思いながら後回しになっておりました。
見事に根元から折れてしまいました。
折れたという感覚では無く、回す部分がぽろっと落ちるような感覚でした。
「あーあ、やらかしてしまいました。」
格闘の末、鍵穴から折れた部分をかろうじて回収できましたので、折れた鍵は「長い間お疲れ様でした。」
と供養しておきます。
「くさし」は福島県の方言で怠ける、横着する、無精やものぐさに近い意味です。
いわき市では同じ意味で「ずうくじ」という方言も使われることがあります。
今年もゴールデンウィーク(年次点検ウィーク)が無事終わり、いつもの月次点検を進めていこうと考えてていたときでした。
早朝五時、老人ホームの事業場から「停電している。」「発電機が廻っている。」と入電があり、寝ぼけ眼を擦りながら現地へ向かいました。
現地到着後、事業場のお客様から状況をお伺いし、現場を確認しましたら、構内のPAS(柱上高圧気中開閉器)が電路を遮断しておりDGR(地絡方向継電器)動作表示(動作履歴)ありでした。安全処置後、絶縁抵抗値を測定したところ、高圧ケーブルが「0MΩ」でした。
写真:DGRのGR(地絡)動作表示
こうなってしまった高圧ケーブルの絶縁抵抗値低下は清掃や洗浄等では復旧することができず、高圧ケーブル張り替え工事を余儀なくされます。発電機も非常用予備発電装置(万が一の火災に対応するスプリンクラーポンプ電源)なので停止させられず、停電中は起動させたままになってしまいます。
今回、事業場は停電になってしまったのですが、構内PASのDGRが事故検出動作してくれたので東北電力NW殿への波及事故にならなかった。と、天候は晴れてもなく雨でもなく、気温も暑くもなく寒くもなく、空調が使えない状態でも老人ホーム利用者の皆様が体調を崩すような事が無く過ごせていたのが不幸中の幸いでした。
写真:高圧ケーブルのシース(外層)に開いた穴(1mm)事故点
電気工事の皆様の御陰や恩恵でその日の夕方、無事に復電することができました。ありがとうございます。
高圧ケーブルも地絡事故を起こしにくいE-Eケーブルを張り替え布設されました。
今回のケーブル地絡事故で改めて6600Vの電圧の大きさ、恐ろしさを再確認でき、身に沁みました。
年次点検に於いて、ケーブル地絡事故を起こす前の劣化診断方法の精度をもっと高めていきたいと思います。
写真:事故点のシースを剥ぎ取った高圧ケーブル。シース以外黒く見えるのはすべて煤。